チリ

1. 市場動向

1.1. インターネット・ブロードバンド市場

2000年にはほぼゼロであった固定ブロードバンドの加入数は、2022年時点では445万件まで増加している。固定ブロードバンドの加入率は22%で,加入数・加入率ともに増加傾向にある。2021年12月の大統領選挙の結果、チリでは左派連合「アプルーボ・ディグニダッド(Apruebo Dignidad)」のガブリエル・ボリック新大統領が誕生した。同大統領は、通信セクターへの抜本的な改革を示唆してはいない。一方、新次官としてテレフォニカ系のモビスターや電気通信開発基金(Telecommunications Development Fund)の役職を歴任したカルロス・アラヤを任命した。チリは、南米諸国の中でも固定ブロードバンド・サービスの普及が最も進んだ国の一つである。固定ブロードバンド市場は、ケーブルテレビ大手VTRと通信大手テレフォニカ・チリの2強状態が続いており、通信次官官房(Subtel)によると、2021年6月時点で、それぞれ31.0%と28.0%の市場シェアを占めている。2012年に100万以上の加入数があったADSLは、2021年6月には19万にまで減少した。対照的に、FTTxの加入数は2017年ごろから急激に増加し、2021年6月にはケーブル・モデムの169万を抜いて200万を突破している。

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