スリランカ

1. 市場動向

1.1. インターネット・ブロードバンド市場

2000年前半までほぼゼロであった固定ブロードバンドの加入数は、2022年時点では220万まで増加している。固定ブロードバンドの加入率は10.1%に留まるものの、緩やかに増加傾向にある。固定ブロードバンド市場ではSLT(Sri Lanka Telecom)が最大の事業者で、市場シェアの60%強を占める。ダイアログ・アクシアタおよびランカ・ベルが5%前後で続くが、その他のシェアは小規模事業者が占めている。接続方式別のシェアはDSLが70%弱、WiMAXによる固定無線ブロードバンドが約25%、その他方式が10%弱となっている。スリランカでは2022年3月初旬からの反政府デモが激化し、首相が海外退避・辞任するなど政治的・経済的な混乱が続いている。2022年5月にデフォルトに陥ったスリランカ政府は、一連の税制改革を行い、通信事業に関する分野においても通信料金の値上げ(11.25%→15%)や付加価値税(VAT)率の引き上げ(8%→12%)を行った。政権交代以前は、各通信事業は4Gネットワークのカバレッジを拡大するとともに、3Gの廃止、5Gの立ち上げに向けて準備を進めていたが、その後の進展は不透明なものになっている。

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