エジプト

1. 市場動向

1.1. インターネット・ブロードバンド市場

2000年代中ごろまでほぼゼロであった固定ブロードバンドの加入数は、2022年時点では1,083万まで増加している。固定ブロードバンドの加入率は9.8%である。加入件数、加入率ともに増加傾向にある。エジプトの通信市場は、加入者数ベースでは地域最大級である。Cisco Digital Readiness Indexによると、デジタルインフラの面では、エジプトはモロッコ、チュニジア、アルジェリアよりやや低いレベルにあり、UAE、サウジアラビア、イスラエルには大きく遅れをとっている。エジプト政府は、テクノロジー分野を今後10年間の経済成長を支える主要な原動力として考えており、「エジプト・ビジョン2030」に掲げた目標を達成するため、デジタル化計画を加速させている。エジプト政府は、堅牢なインターネット・インフラを構築し、維持するため、2018年以降、xedおよびブロードバンド接続の改善に16億米ドルを投資している。固定ブロードバンド接続に用いる技術は、ADSLがほぼ100%を占めている。加入数は2018年3月に約553万に達したが、固定回線の普及状況に従い、首都周辺地域とその他の大都市圏に加入者の80%が集中している。移動体通信事業者3社(ボーダフォン・エジプト、Etisalat Misr及びオレンジ・エジプト)も2008~2010年にDSLバックボーン事業者を買収、自社ブランドでADSL接続サービスを実施している。支配的事業者テレコム・エジプト(TE)が最大のシェアを有している。

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