1. 市場動向
1.1. インターネット・ブロードバンド市場
2001年からADSLの商用サービスを開始し、Telekomunikasi Indonesia(Telkom)やケーブルテレビ事業者が、首都圏や大都市を中心にIP化、光化を進行させている。2020年2月には、PT Supra Primatama Nusantar(ブランド名Biznet)が自社光ファイバー網を使ったIPTVサービスを開始した。さらに、無線ブロードバンドの高速化により、様々な関連のサービスが展開され始めている。そのため、政府が積極的に関与してインターネット関連企業を育成しようとしている。ジャカルタ特別州政府が、2020年9月より無料Wi-Fiサービスを提供するといった取り組みもある。
2020年時点で固定ブロードバンドの加入数は1,200万件、固定ブロードバンドの加入率は4.2%と推計され、特に加入数は大きく増加傾向にある。インドネシアにおける固定ブロードバンド契約数は、2010年から20年にかけて年平均17%程度で増加した。需要を押し上げているのは、消費者による高速インターネット設備への需要の高まりと、パラパ・リング計画(the Palapa Ring Project:全長36,000 kmを超えるブロードバンドアクセスの供給を目指した国家プロジェクト)による通信インフラの整備である。
消費者によるインターネット需要の高まりに関して、COVID19パンデミック以前に加入拡大の中心を担っているのは、モバイル・インターネットであった。COVID19パンデミックによって、在宅勤務やオンラインスクール、Eコマース、Eヘルス市場が急拡大し、モバイル・インターネットから固定ブロードバンド設備に対する需要はさらに高まっている。